防衛医科大看護学科 2018 英語

 

1.  問1~問5 下線部に最も適当なものを(1)~(5)より選べ。

 

問1 My mother is fine and my father is in (   ) health, too.

(1)declining   (2)excellent   (3)failing   (4)unsatisfactory   (5)critical

 

問2 It’s nothing to get excited about . It’s a very (   ) occurrence.

(1)mad   (2)strange   (3)queer   (4)common   (5)unusual

 

問3 Riding about the streets was not at all comfortable because of (   ) traffic.

(1)large    (2)little   (3)heavy   (4)great   (5)small

 

問4 Then he (   ) near the window.

(1)had seated   (2)was seating   (3)seated himself   (4)seats   (5)seated

 

問5 She spoke English very fluently, but (   ) a Japanese accent.

(1)with   (2)in   (3)on   (4)at   (5)over

 

【解答】問1 (2)      問2 (4)      問3 (3)      問4 (3)      問5 (1)

 

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N・Zさん(高1)からの依頼。

(4)は再帰代名詞を調べると、出てくるポイントです。しかし、手持ちの参考書を見ても、seat(座らせる)の例は出てきませんでした。

最も近いのは、dress onself(服を着る)です。dressはそもそも「飾る・服を着せる」の意味で、wear(着る)とは対照的です。再帰代名詞oneselfを目的語にして始めて「着る」の意味になります。

seatも同様に、seat onselfにして始めてsit(座る)と同じ意味になるんですね。

(5)は具体的にwithのその使い方を知らないとできないです。

(5)は知らないとできませんね。

宮崎看護大学 平成28年度 特別入学試験 小論文

 次の二つの文章(文一、文二)を読んで後の問いに答えなさい。

 

(文一)

 あいさつというと、またか、といわれてしまう程もうそれをすることは当たり前になってしまっています。しかし、一方で“あの人はあいさつもロクにできない”などという言葉も生きているのが現実です。あいさつというものは、ただすればよいというものでもないのです。

 あいさつはより良い人間関係の第一歩、と言われます。同じ「おはよう」でも“今日一日よろしくね”とか“気持ちの良い朝ね”といった、相手との間に親しみの心が通う、気持ちの込もった明るいあいさつをしたいものです。そのためには、あいさつはだれにでも先にすることが大切です。後輩なんだから向こうから先にすべきだ、と考えるのは相手との間にわだかまりをつくっているのと同じことなのです。

 先に声をかけられると人はだれでも嬉しいものなのです。相手を見かけたら親しみを増すチャンスと思ってとにかく先に声をかけることです。

 

(文二)

 魔法の言葉、マジックフレーズというのをご存知ですか。何が魔法なのかというと、この言葉を聞いて悪い気持ちになる人はいない、だれもが心ゆたかになる言葉なのです。

 まず第一にお礼の言葉があります。「ありがとうございます」「イ」。

 二番目にお詫びの言葉があります。「ロ」「ハ」。

 最後に、ねぎらいの言葉です。「ニ」

 もちろん他にもたくさんあるのですが、大きく分けてこの三つです。これらの言葉は自尊心を守った言葉ということができます。

 たとえば、道を歩いていると、立ち話をしている人が前方をふさいでいたとします。もちろん、道をふさいでいる人に非があるのですけれども、いきなり「ちょっとそこ、どいてください」と言ったのでは相手もおもしろくありません。そんなとき「ホ」と道を開けてもらい「ありがとうございました」と過ぎていけば“感じが良い人”という黄にもなるわけです。

(千名裕編『エキスパートナースのためのマナーブック』中央法規出版)

 

問一 文一、文二の二つの文章に共通して貫かれている、筆者の考えはどういうことでしょうか。一〇〇字以内で述べなさい。

 

問ニ 文二中のイ、ロ、ハ、ニ、ホに、文意を汲んで入ると思う「魔法の言葉」をそれぞれあげなさい。また、それが何故、「魔法の言葉」なのか、あなたの経験の一例をあげ、三〇〇字以内で述べなさい。

 

問三 あいさつも「魔法の言葉」にすることができると思います。そのような観点から、文一の傍線部、「あいさつもロクにできない」とは、どういうことであるのか、あなたの経験した具体的な場面を挙げて、四〇〇字以内で論じなさい。

 

【解答】

問一

 (文一)には「先に声をかけられると人はだれでも嬉しい」とあり、(文二)には「この言葉を聞いて悪い気持ちになる人はいない、だれもが心ゆたかになる」と書かれている。言葉には相手の気持ちを好転させるものがある。

 

問ニ

イ、感謝します    ロ、すみません    ハ、ごめんなさい

ニ、お疲れさまでした    ホ、すみません

 

 これらの言葉は、自己中心的ではなく、相手の立場を尊重した立場からの言葉である。

 人は自分が尊重されているとわかると、自らも衿を正し、無闇な言動はとれなくなる。この心理を利用したものに、コンビニなどのトイレに書かれている「きれいにご利用いただきありがとうございます」がある。客はトイレを借りている立場なのにお礼まで言われると、つい申し訳なく思い、せめて汚さないように使おうと思うし、よもや悪戯や器物損壊をしようとは思わない。

 挨拶にも同じ効果がある。これらの言葉により、相手も知らず穏やかな言葉を返すようになる。それを聞き、こちらもよい気持ちになるというように、相乗的にその場の空気を変えていく効果がある。

 

問三

 「あいさつもロクにできない」の「も」が重要だ。そこには、挨拶程度のことができないならば、仕事もできないという含みがある。

 父が寝たきりになり入院していたことがあった。自力でトイレに行けず、看護師さんにオムツを交換してもらっていたのだが、その病院ではオムツの交換時間が予め決められており、その予定の交換も忘れられることが度々で、四、五時間オムツに便をためたままで放置されることが頻繁にあった。

 もちろん、時間以外に交換を求めてもいいのだが、それは看護師さんにとってとても面倒なことのようで、父が便をし、部屋がプンと匂い始めると、だれも病室に入ってこようとはしない。病室の前を通る看護師も、「忙しい」感じを振りまいて、挨拶もそこそこに足早に通り過ぎるのだ。

 患者に声を掛けられると困るから挨拶もしないとは、何と殺伐とした病院だろう。少なからず、挨拶は病院がうまく回っているかどうかのバロメータにはなると思う。

 

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T・Oさん(高3)からの依頼。

問三の解答は、設問に即していない点でも、現在の病院批判がキツい点でも、あまりよい作文ではないですね。

今回は、問題を初見でその場で15分くらいで解く必要があったので、こんなことになりました。

ちなみに病院の話は私の体験談。私の地元には、いい病院もなくはないのですが、そこはいつも一杯で、庶民は、ほとんど病院とも呼べない隔離施設に収容されます。

これから看護士になる人に期待したいところですが、腐った職場で腐らずにいられることは、奇跡に近いことでしょうね。

ぜひ勉強をがんばって、まともな病院に就職してほしいものだと思います。

国際医療福祉大 保健医療・成田看護・成田保険医療学部 一般入試 2018 数学Ⅰ・A 第4問

S・Gさん(高3)からの依頼。

 

 A、B、C、Dの4つの箱があり、どの箱にも1、2、3、4の数字が書かれたカードが1枚ずつ計4枚はいっている。それぞれの箱からカードを1枚ずつ計4枚取り出す。

(1)4枚すべてが同じ数字のカードである確率は(    )である。

(2)4枚すべてが、異なる数字のカードである確率は(    )である。

(3)4枚の中に同じ数字のカードが2枚ずつ2組ある確率は(    )である。

(4)4枚のカードの数字の和が9である確率は(    )である。

(5)4枚の中に偶数のカードが1枚だけ含まれる確率は(    )であり、その偶数のカードを箱Aから取り出した条件付き確率は(    )である。

 

【解答】

(1)すべての場合の数は 4×4×4×4=256

4枚すべてが同じ数になるのは、 (1111), (2222), (3333), (4444)の4通り

 よって、4÷256=1/64

 

(2)4枚すべてが異なる数になるのは、4!

よって求める確率は 4!÷256=24÷256=3/32

 

(3)4つの数から異なる2数を選ぶ組合せは、(12), (13), (14), (23), (24), (34)の6通り。

 2数P、Qを2枚ずつ4枚並べるときの並べ方は、

 (PPQQ), (PQPQ), (PQQP), (QPPQ), (QPQP), (QPPQ), (QQPP)の6通り。

 よって、場合の数は、6×6=36

 求める確率は36÷256=9/64

 

(4)1~4のうちの4つの数字の和が9になる組合せは、

 (1134), (1224), (1233), (2223)の4つ。

 このうち、(1134), (1224), (1233)については、

 それぞれ、4×3×2÷2=12(通り) の組合せがある。

 また、(2223)については、3をA~Dのどこで引くかにより、4通りの並べ方がある。

 よって、(12×3+4)÷256=40/256=5/32

 

(5)(ⅰ)偶数のカードが1枚だけ含まれるとき、

  1. 残りの3つの奇数がすべて同じ場合偶数をA~Dのどこから引くかにより……4通り(イ)よって、2×4×2=16(通り)
  2. 奇数がすべて1の場合、あるいはすべて3の場合……2通り
  3. 偶数が2である場合と、4である場合……2通り(ア)
  4. 奇数に1と3が両方含まれるとき、

奇数1, 3の並べ方は、(113), (131), (311), (331), (313), (133)の6通り(ウ)

(ア)、(イ)、(ウ)により、2×4×6=48(通り)

①, ②より、(16+48)÷256=64/256=1/4

 (ⅱ)Aの箱から偶数を取り出したとき、

   Aが2の場合と4の場合……2通り

   残りの奇数がすべて1、あるいはすべて3の場合……2通り

   残りの奇数に1と3が両方含まれる場合…6通り(ウ)

   よって、2×(2+6)÷256=16/256=1/16

(ⅰ)(ⅱ)より、求める条件付き確率は、1/16÷1/4=1/4

 

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 割と易しめのスタンダードな確率の問題です。意味のよくわかっていない、P(順列)やC(組合せ)を使って誤答するよりも、中学生でもできる作業中心の解き方の方が、問題の全貌が把握しやすく、勘違いも起りにくいです。

 できるだけそのように解いてみました。

国際医療福祉大-特待奨学生特別推薦入試 2018 英語 第1問 日本語訳

 Over 50 years ago, Henry Beecher shocked the medical world by claiming that just placebo procedures like giving sugar pills or even sympathetically physically examining the patient would lead to an improvement in 30 per cent of patients.

 50年以上前、ヘンリー・ビーチャーは、砂糖の錠剤を与えたり、共感的に物理的な診察を行ったりというようなプラセボの手順だけで、30パーセントの患者が回復に導かれるということを主張し、医学界を震撼させた。

 

Today that estimate has increased between a half to three-quarters of patients, with all sorts of problems from asthma to Parkinson’s showing real lasting improvements from a range of treatments.

今日、その推定値は、診察の範囲で継続的な回復を示した糖尿病からパーキンソン病までのすべての種類の問題について、2分の1から4分の3の間で増加を見せている。

 

  One question is: what type of placebo works most effectively?

  1つの問題は、どんなタイプのプラセボが最も効果的に効くかということである。

 

The colour and size of capsules have been repeatedly subject to experimental manipulation, but with little reliable impact.

カプセルの色や形は繰り返し実験操作の対象となり続けているが、ほとんど拠るべき影響はない。

 

It does not seem to make much difference.

それにはそれほど大きな違いはないように思われる。

 

  More serious, ‘major’ or invasive procedures do appear to have stronger placebo effects.

 もっと重要で、「専門的」で、外来的な手順が、プラセボ効果をより強いものにするようだ。

 

Injection per se appear to have a greater impact than pills, and even placebo surgery (where people are cut open and sewn up with little or nothing done) has yielded high positive response rates.

注射はそれ自体、錠剤よりも強い効果を見せ、偽の外科手術(開腹し、ほとんど何もしないか、あるいは全く何もしないで縫合すること)でさえも高い明確な反応の割合を示した。

 

   The style of treatment administration and other qualities of the therapist appear to contribute substantially to the impact of the treatment itself.

 診療管理の型や治療者の他の質は、それ自体十分に治療効果に貢献する。

 

Those therapists who also exhibit greater interest in their patients, greater confidence in their treatment, and higher professional status, all appear to promote stronger placebo effects in their patients.

また、患者に大きな興味を持ち、治療に大きな自信を持ち、高いプロとしての地位を持つ治療者は、みな彼らの患者により強いプラセボを促進するようだ。

 

The placebo effect is both a blessing and a curse.

プラセボ効果は祝福でもあり、呪いでもある。

 

It’s a blessing for all therapists regardless of what treatment they prescribe.

それは、どのような治療をほどこすかに関心のないすべての治療者には祝福である。

 

It’s a curse for scientists who try to evaluate the real effect of interventions.

それは、介在する本当の効果を認識しようとする科学者には呪いである。

 

The placebo controlled, randomized, double-blind study has become the gold standard of scientific research to assess therapy and ‘discount’ any placebo effect.

制御され、ランダムで、二重に目隠しされたプラセボの研究は、治療を確かなものにしプラセボの効果を減らそうとするための科学調査の素晴らしき標準となっている。

 

   The idea is that people are randomly sent to different groups, some of which are control groups having no treatment, alternative treatment or placebo treatment.

 その考えでは人々は、ある者は制御された治療されないグループ、代替の治療を受けるグループ、あるいはプラセボ治療を受けるグループという異なったグループにランダムに送られる。

 

Further, neither the doctor/scientist/therapist nor the client/patient knows which treatment they are receiving.

更に、医者・科学者・治療者だけでなく、依頼人・患者もまた、どんな治療を受けているのか知らない。

 

   The first randomized, controlled trial took place soon after the Second World War.

 最初のランダムに制御された試行は、第二次世界大戦の後すぐに起こった。

 

But it wasn’t until 20 years ago that ‘blinded’ studies were introduced.

しかし、「目隠しされた」研究は20年前まで紹介されなかった。

 

It was recognized that because psychological factors may affect the response to treatment, the patient should be kept ‘blind’ to the nature of the treatment they got.

それは、心理的な要素は治療への反応に影響を与えるため、患者は彼らが受ける治療の正体について「目隠し」にし続けるべきだと考えられている。

 

Where both patient and clinician are unaware of the nature of the treatment (drug versus placebo, for instance), the trial is referred to as double-blind.

患者と医者の両方が治療の正体(例えば、投薬とプラセボ)に気付いていないところから、この試行は二重の目隠し(ダブル・バインド)として言及される。

 

Where the clinician is aware, but the patient is not, the trial is single blind.

医者が気付いており患者が気付いていない場合、その試行は一重の目隠し(シングル・バインド)である。

 

placebo プラシーボ、偽薬   asthma 喘息   Parkinson’s パーキンソン病

 invasive 切開する   per se それ自体   intervention 医療行為

 

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G・Sさん(高3)からの依頼。

プラセボ(プラシーボ)効果」について知らない人には、きつい英文ですね。知っている人にはそんなに深い内容は書いていないので、「知識のある人」ウェルカムという出題意図のように思えます。

あと、同じ単語でも医療系特有の意味があるので、備えておくといいと思います。